【pen】これを知らなきゃ、日本文化は語れない。少女マンガ超入門!

Pen (ペン) 2013年 6/1号 [少女マンガ 超入門]

 

データ

雑誌名

pen(2013年6月号)

出版社

阪急コミュニケーションズ

出版年

2013年6/1号

おすすめ度

★★☆☆☆


紹介

雑誌penの少女マンガ特集です。雑誌が全142ページで、その中で77ページを占める大特集です(ちなみに残りページはほとんどメンズファッションの記事や広告です)。「これを知らなきゃ……」という煽りが少女マンガファンとしては気になりますが、その文句に違わぬ濃い内容です。

大特集

1作品につき6~4ページ、各特集のうち1ページはまるまるカラーカットで占められています。残りは、マンガのカットとともに、作品ができるきっかけや登場人物の系譜、年表などで詳しく紹介されています。

リボンの騎士(1) (手塚治虫文庫全集 BT 13) ベルサイユのばら(1) ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS) 日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫) ポーの一族 (1) (小学館文庫) パタリロ! 91 (花とゆめCOMICS)

 

 

傑作少女マンガ50選

1作品につき3分の1~4分の1ページ、歴史・学園・SFなどテーマごとに紹介されています。各作品の1カットとあらすじの紹介が主です。

  • あさきゆめみし
  • 陰陽師
  • 大奥
  • 王家の紋章
  • オルフェウスの窓
  • 天は赤い河のほとり
  • バビロンまで何マイル?
源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) 陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫) 大奥 10 (ジェッツコミックス) 王家の紋章 58 (プリンセスコミックス) オルフェウスの窓 1 (集英社文庫―コミック版) 天は赤い河のほとり(1) (フラワーコミックス) バビロンまで何マイル? (白泉社文庫)

 

  • 風と木の詩
  • 生徒諸君!
  • 有閑倶楽部
  • 天然コケッコー
  • ハチミツとクローバー
  • 潔く柔く
  • 俺物語!!

 

風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫) 生徒諸君!(1) (講談社漫画文庫) 有閑倶楽部 1 (りぼんマスコットコミックス) 天然コケッコー 1 (集英社文庫―コミック版) ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス―ヤングユー) 潔く柔く 1 (マーガレットコミックス) 俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)

 

 

  • のだめカンタービレ
  • ちはやふる
  • 坂道のアポロン
  • 千利休
  • 銀のロマンティック…わはは
  • エースをねらえ!
  • アラベスク

 

のだめカンタービレ(1) ちはやふる(23) (Be・Loveコミックス) 坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス) 千利休 銀のロマンティック…わはは (花とゆめCOMICS) エースをねらえ! 9 (ホーム社漫画文庫) アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

 

 

  • 11人いる!
  • イティハーサ
  • 秘密 トップ・シークレット
  • BANANA FISH
  • OZ
  • BASARA
11人いる! (小学館文庫) イティハーサ (1) (ハヤカワ文庫 JA (639)) 秘密 -トップ・シークレット- 11 (ジェッツコミックス) Banana Fish vol.1 (Banana Fish OZ 完全収録版1 BASARA (1) (小学館文庫)

 

 

  • COJI-COJI
  • おるちゅばんエビちゅ
  • 冷蔵庫にパイナップル・パイ
  • 動物のお医者さん
COJI-COJI 1 (りぼんマスコットコミックス) おるちゅばんエビちゅ 1 ぱあふぇくと版 (アクションコミックス) 冷蔵庫にパイナップル・パイ 1 (YOUNG YOU漫画文庫) 愛蔵版 動物のお医者さん 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

 

 

  • Paradise Kiss
  • リアル・クローズ
  • 海月姫
Paradise Kiss (1) Real Clothes 1 (クイーンズコミックス) 海月姫(13) (講談社コミックスキス)

 

 

  • 綿の国星
  • はみだしっ子
  • 夏目友人帳
  • 町でうわさの天狗の子
綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫) はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫) 夏目友人帳 17 (花とゆめCOMICS) 町でうわさの天狗の子 12 (フラワーコミックスアルファ)

 

 

  • 富江
  • 赤んぼ少女
  • 13月の悲劇
  • 血まみれ観音
  • 百鬼夜行抄
伊藤潤二傑作集 1 富江 上 (朝日コミックス) 赤んぼ少女 (ビッグコミックススペシャル) 13月の悲劇 (白泉社文庫―美内すずえ傑作選) 血まみれ観音 (講談社漫画文庫―高階良子傑作選) 百鬼夜行抄 22 (Nemuki+コミックス)

 

 

  • はいからさんが通る
  • スケバン刑事
  • 櫻の園
  • 白鳥麗子でございます!
  • きみはペット
  • NANA
  • ヘルタースケルター
はいからさんが通る(1) (講談社漫画文庫) スケバン刑事 (1) (MFコミックス) 櫻の園 白泉社文庫 白鳥麗子でございます!  全7巻完結 [マーケットプレイスコミックセット] きみはペット(1) (講談社コミックスキス (318巻)) Nana 1 ヘルタースケルター (Feelコミックス)

 

 

少女マンガ年表

戦後(1945年)からの少女マンガの歴史について。歴史年表はこの手の少女マンガ特集にはつきものなので、特に目新しい感じはしませんでした。

 

 

敏腕編集者対談

少女マンガの生き証人的な古参編集者、小長井信昌・佐治照久・毛利和夫・入江祥雄の4人の対談です。白泉社の小長井信昌は少女マンガに関する自著もありこちらのほうがよくまとまっていると思います。少女漫画の歴史年表も、この本についていたような記憶があります。白泉社以外の少女マンガについても多めに言及があるのが、対談の強みでしょうか。

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 少女マンガは、女ゴコロを学ぶ教科書だ!

少女マンガを通して、女性の理想とするヒロイン・シチュエーション・恋愛のステップ・台詞・モテ男などを説明しています。上の50選と被っているマンガがかなり多いので、それ以外を挙げます。

  • 闇のパープル・アイ
  • 美少女戦士セーラームーン (当ブログの紹介記事
  • 罪に濡れたふたり
  • ときめきトゥナイト
  • 恋愛カタログ
  • 妖精国の騎士
  • プライド
  • 君の天井は僕の床
  • るきさん
  • 海街diary
  • ラブホリック
  • ホタルノヒカリ

 

 

闇のパープル・アイ (1) (小学館文庫) 美少女戦士セーラームーン 完全版(1) ときめきトゥナイト 1 (集英社文庫―コミック版) 妖精国の騎士 第54巻 (プリンセスコミックス) プライド 1 (クイーンズコミックスDIGITAL) ラブホリック 1 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 み 24-13) ホタルノヒカリ (1) (講談社コミックスKiss)

 

 

レディコミの世界

  • メッサリーナ(『漫画グリム童話 シンデレラ』より)
  • ハッピー・マニア
  • さよならみどりちゃん

 

ハッピー・マニア 1 (祥伝社コミック文庫) さよならみどりちゃん (フィールコミックスGOLD)

 

 

少女マンガ勢力図

これも少女マンガ特集や「この少女マンガがすごい!」的な特集によくある図ですね。りぼん、なかよし、ちゃおから始まり、白泉社や秋田系書店の勢力にもきっちり言及があります。


感想

 

ところどころ不満が

取り上げ方にかなり偏りがあるように感じました。同じ作家の作品が何度も取り上げられていたり、あまり有名ではない漫画が紹介されていたり系統的ではありませんでした。この漫画家が取り上げられるならもっと取り上げるべき人がいるのでは……と思うこともありましたが、そうするとベテランばかりが集まってしまうので年代をバラけさせるためにあえてそれほど有名でない若手も入れたということなのでしょうか。少女漫画界はカリスマ的なスター漫画家と、時々ヒットがある漫画家にだいたい別れてしまうので、いっそのこと漫画家自体でジャンル分けして特集した方がよかったのではと思います。   特に、秋田書店の少女マンガに関する記述が足りないように思います。取り上げたのは「王家の紋章」「妖精国の騎士」のみのようですが、「エロイカより愛をこめて」の青池保子、「クリスタル・ドラゴン」のあしべゆうほ、「やじきた学園道中記」の市東亮子など、他にもとりあげるべき漫画家は多いはずです。   セーラームーンは時代の流れを決めた革命的な作品だったと私は思っているので、もう少し大きく特集されるべきだと感じました。大御所の里中満智子や、白泉社でコテコテの少女マンガを描いてきたひかわきょうこが取り上げられていないのも不満です。逆に、「ベルサイユのばら」はすでに有名ですので、もう少しページ数を他の作品に譲ってもよかったのでは。「罪に濡れたふたり」を取り上げるなら、新條まゆも言及されるべきではないかと思いました。   また、90年代以降一部に強い支持がある新書館系の雑誌(ウィングスやサウスなど)に言及がなかったのも物足りなかったです。有名どころでいくと、「アーシアン」の高河ゆんや「パーム」の獸木野生、「少年魔法士」のなるしまゆりなど。これは作者や読者が少女マンガと認識しているかどうかかなり怪しいところですが、少女たちによって一定の支持がある層ですので触れてもよかったのでは。wikipediaによると、penは30代~40代の男性向け雑誌ということなので、あまりオタクくさくなるのを避けたのでしょうか。

 

 

男性の目を意識してある?

そういえば、冒頭の大特集でも「日出処の天子」の取り上げられ方が不自然なように思いました。この作品は少女マンガの歴史でいうと、24年組によって少年愛が描かれ始めた初期に相当するはずです。これは少女マンガの歴史でかなり革命的なポイントなので、冒頭の大特集に入るのは理解できるのですが、それにしては歴史に重点をおいた作品紹介になっており毛人と皇子の関係にはあまり触れられていません。そもそも、少年愛という観点からとりあげるなら「日出処の天子」よりもむしろ後の50選で取り上げられている「風と木の詩」の方が、内容が直接的ですし時期も早いはずです。男性の目に触れることを意識して、敢えてそのあたりを避け気味に特集した結果ということでしょうか。   表紙についても、私はもっと別の作品からでもよいのではないかと思いましたが、男性にも有名な作品で代表的なものということで「ベルサイユのばら」が選ばれたのでしょう。

 

全体的には、よい特集

そんなこんなで不満はありますが、この手の特集で誰からも不満がでないようにつくることは不可能でしょう。各出版社・ジャンルからかなりバランスを考慮して作品を厳選したのであろうことは想像がつきます。読んだことのない作品でおもしろそうなものもありましたし、少女マンガ好きなら手にとって損はないと思いました。


少女マンガ特集のpenは、まだamazonで入手可能です。


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