蒼のマハラジャ

蒼のマハラジャ 1 (ホーム社漫画文庫)

データ

作品名

蒼のマハラジャ

著者

神坂 智子

巻数

コミックス全10巻 文庫全5巻

出版社

角川書店(コミックス) ホーム社(文庫)

掲載誌

月刊Asuka

出版年

1993年

おすすめ度

★★★★☆

これから読まれる方へ

なるべくネタバレのないあらすじ

第二次世界大戦前後の話です。主人公モイラは、14歳の女の子。イギリス大使である父親の仕事の都合で、インドのラジャスタンにあるジョドプールにやってきました。インドは当時イギリスに支配されていましたが、ラジャスタンはまだイギリス統治外の王国でした。モイラはそこで、王の唯一の息子であるシルバに出会います。王宮育ちで他人を警戒していたシルバですが、やがて王子である自分に遠慮せず素直に振る舞うモイラに心をひらいていきます。そしてシルバはモイラに、王家に500年伝わる王位の印である蒼の石(サファイヤ)の隠し場所を教えます。2人で時間を過ごすうち、モイラは、自分とほぼ同い年のシルバが次代の王としての覚悟をもっていることに気づいて圧倒されるのでした。   しかし、2人はいつまでも幸せな少年少女のままではいられませんでした。モイラの父は実はイギリス側のスパイで、王の弟(つまりシルバの叔父)であるサヒバと内通していたのでした。王が崩御し、モイラの父とサヒバの力のバランスが崩れていきました。イギリスの干渉を受けないままで王位を狙うシルバと、ジョドプールに内戦を起こしてその混乱に乗じて影響力を強めたいイギリス軍。サヒバの差し金で、モイラの母はアヘン漬けにされて生命を落とします。怒ってサヒバのもとに向かったモイラの父でしたが、サヒバと相打ちの末二人とも亡くなってしまいます。悲しみにくれる間もなく、イギリス軍がラジャスタンに攻めてきました。   新しい王(マハラジャ)となったシルバは、モイラの助言を得て無事イギリス軍を追い返し、自治権を獲得するのでした。シルバは蒼の石を2つに割って、片方をモイラに与えます。それは、自分の王妃(マハラーニ)となり、一緒にラジャスタンを治めてほしいというシルバのメッセージなのでした。こうして2人は婚約しましたが、世界は第二次世界大戦へ突き進んでいきます。やがて大戦後、インドの独立を経て平民となっても、2人がジョドプールの発展を目指して手をとりあって奮闘していく様を描く大河物語です。  

メモ1

作者の神坂智子は、緻密な時代考証に基づくリアリティに溢れる作風で知られています。蒼のマハラジャの主人公2人も実在はしていませんが、まるで本当にこの時代に2人が生きていて、インドの近代化に向けて頑張っていたのではないかと思わず思ってしまうほどです。あえて言うなら、主人公たちが手を下さなくても邪魔な人物たちが事故などで勝手に死んでいくなど、ところどころ都合よく進み過ぎる部分もありますが、まああまりブラックな展開になっても読むのがつらいので。  

メモ2

少年・少女から青年・娘へと成長していく主人公たちの姿が、自然に描かれている作者の画力にも注目です。読んでいる時は急に成長したようには感じないのですが、第一巻と最終巻を比べてみると、確かに成長している2人の外見にも表情にも驚かされます。   以下ネタバレあり!                

ネタバレOKな方用

シルバによく似た顔立ちのサウジ王子ラージャも、モイラに惹かれていました。自分の持っている油田も召使も地位も、全てを捨ててもよいというラージャに対して、シルバは言います。
藩は私にとっての命です その命の半分をモイラは握っています 彼女がいなければ藩も私の命も半分では存在できません
シルバとモイラ、そして2人の目指したラジャスタンの幸せの関係が非常に端的にあらわれた言葉だと思います。

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